「浦和競馬伝統の一戦に古豪が集う」
JBCとチャンピオンズカップの間の開催で超一線級の参戦こそないものの、昨年の覇者ディクテオンを中心として今年も多士済々のメンバーが集った。JRA勢を迎え撃つのは川崎記念を勝ったライトウォーリア、埼玉新聞栄冠賞を勝って勢いに乗る地元の雄ナニハサテオキで見応え十分の戦いになることは間違いない。
ディクテオンの連覇に期待。
昨年はオープン勝ちはあるものの重賞勝ちはなく5番人気だったのもやむを得ず。
しかしレースでは2周目の向正面で仕掛けると、一気に捲り上げて4コーナー先頭。
その脚いろは直線に入っても衰えることはなく、ミトノオー以下を完封して見せた。
その後は返す刀で名古屋グランプリを勝ち古巣で見事凱旋を果たした。今年に入ってからはダートグレードでも好走こそすれ勝ち星に恵まれなかったが、前走の白山大賞典では早目先頭から一気に押し切るという豪快な競馬で圧勝。再び勢いを取り戻したとあれば、連覇への視界は良好。
相手には新興勢力アウトレンジを指名。
デビューこそ2歳秋だが、ここまで大事に使われて4歳秋にしてキャリア11戦。休み明けのオープンを勝って挑んだみやこステークスは11番人気だったが、低評価に抵抗するかのように渋太く粘って2着確保。これで重賞でも通用する目処が立ったし、その先行力は小回りの地方競馬向き。そして兄にはダート重賞で再三好走しているハピがおり、血統的なバックボーンも十分。初の左回りなど克服すべき課題はあるが、ここで好走できれば今後への見通しは一気に明るくなる。
地元の雄、ナニハサテオキが逆転を狙う。
浦和に転入後は、コツコツと勝ち星を重ねて約1年で重賞初出走。その報知オールスターカップではライトウォーリア、京成盃グランドマイラーズではギガキングという実績馬に後れを取って惜しい2着だったが、ひと息入れた8月のフリオーソレジェンドカップでは目の覚めるような一気の末脚で快勝。正に素質が一気に花開いたとでも言うべき鮮やかさだった。日本テレビ盃ではウシュバテソーロやメイショウハリオというビッグネームには歯が立たなかったものの、地方馬最先着の4着なら決して悲観するものではない。そして前走の埼玉新聞栄冠賞は浦和コースを意識した早目の競馬で完勝と、ここにきて自在性も備わってきた様子。今の充実ぶりをもってすれば、念願の交流重賞制覇も夢ではない。
昨年まで条件クラスで一進一退を繰り返していたダイシンピスケスだが、昨年秋から別馬のような快進撃。暮れから年明けにかけて一気に3連勝でオープン勝ちまで収めた。交流重賞初参戦の白山大賞典でも2着しており、南部杯からの巻き返しを狙う。
春には乾坤一擲の逃げで川崎記念を勝ったライトウォーリア。その実績は言うまでもなくこのメンバーでもトップクラス。前走は慣れない海外のゲートに戸惑った感もあり不完全燃焼の競馬で5着。今回はメンバー唯一の58キロを背負い同型の捌きもカギになるが、自分の型に持ち込めばアッサリの場面があっても不思議はない。
中距離のダートグレードではもはや顔役存在となっているメイショウフンジン。なかなか勝ちに手が届いていないが、今年5月東京のブリリアントステークスが示すように自分の形にさえ持ち込めれば極上の粘りを発揮。今回は同型ライトウォーリアとの兼ね合い次第だが、内枠を利してマイペースで運べれば念願の重賞制覇も視野に。
◎ディクテオン
○アウトレンジ
▲ナニハサテオキ
△ダイシンピスケス、ライトウォーリア、メイショウフンジン
(ケイシュウNEWS:石井 一治)