【開催見解】第4回門別競馬(5/31~6/8 重賞:北海優駿(ダービー)、北海道スプリントカップ)
第4回門別競馬展望
今開催も前節、後節ともに2日間(水曜、木曜)の日程だが、2日目には3歳三冠戦線の第2弾の「北海優駿」、4日目には統一ダートグレード「北海道スプリントカップ」JpnIIIが行われる。
【重賞競走】
○6月1日 第45回北海優駿(ダービー)3歳オープン 距離2000m
1.バリスコア
2.モンサンルリアン
3.スウィフトハート
4.ゴールドメッセージ
5.ドンカスターボーイ
6.レインハート
7.ベンテンコゾウ
8.センコーファースト
9.ストーンリバー
10.スカイロックゲート
11.キリンタイム
12.ブレーヴチェイサー
13.シュラーゲン
14.スピリア
【展望】昨年度から、北斗盃、北海優駿、王冠賞を制した三冠馬にはボーナスが与えられるため、北斗盃を快勝した岩手水沢競馬所属のベンテンコゾウが予定通りに歩を進めてきた。7戦6勝2着1回という実績が物語るように、地元の岩手競馬の3歳戦線でも活躍できるのは明らかだが、やはりボーナス付加は魅力的である。ただ、父がスプリンター系のサウスヴィグラスだけに、距離が1600mから2000mに延びる点が最大のポイントになるだろう。好位で流れに乗れるタイプだから、バタッと崩れることはないと思われるが、北斗盃のような楽な競馬になりそうにない。逆転の望みを、北斗盃2着のストーンリバーに懸けたい。ここまで大きく崩れたのは、昨年暮れに川崎で行われた全日本2歳優駿だけであり、距離も北海道2歳優駿で1800mは経験しているのも強み。当然、叩き2走目の上積みもあるはずだ。スカイロックゲートは北斗盃こそハイペースが祟って大敗を喫したが、2走目の条件戦を圧勝。ノビノビと走れる外回りの方が競馬はしやすい感じ。4勝馬バリスコアは相手なりに走れるのが強みで展開に左右されないのも魅力。古馬条件に編入して2連勝中のモンサンルリアンも先制が叶う展開なら渋太さを発揮しそうだ。その意味では、スカイロックゲートの動向が鍵を握っているといっても過言ではない。
(厩舎の談話)
1.バリスコア 長距離タイプとは言えませんから、流れに乗り過ぎないように、うまくタメを作るレースができるようなら。
2.モンサンルリアン 行く馬がいたら、今回はタメてレースをさせるつもり。折り合って運べれば、距離もこなせると思います。
3.スウィフトハート 緒戦は気にしなくてもいいでしょう。ブリンカーを着けて臨みますが、外回り2000mなら違うと思います。
4.ゴールドメッセージ 心身ともに充実するのはもう少し先だと思いますが、距離延長をプラスに、上位に食い込みたいですね。
5.ドンカスターボーイ 北斗盃が不甲斐なかったので、前走は気合を注入する目的で短距離戦へ。思惑通りの効果が見えます。
6.レインハート 血統的には長距離が合うと踏んでいるんです。前走は体重が大幅に増えていましたが、成長分も含まれています。
7.ベンテンコゾウ 稽古も予定通り。前回同様、早目に現地入りして調整する予定。距離は前走内容からもこなしてくれると思う。
8.センコーファースト 精神的に不安定なところがありますが、力は十分に持っている。集中力を保って能力を出し切れば。
9.ストーンリバー 前走後は上半期最大の目標であるこのレースに照準を合わせて、入念に調整。外回り2000mは望むところです。
10.スカイロックゲート デキの良さは目を見張るものがあります。距離も向くと思います。自分のリズムでリードできるようなら。
11.キリンタイム 北斗盃の時はまだ乗り込みが足りませんでしたが、叩かれつつ、体もできて、ようやく上向いてきました。
12.ブレーヴチェイサー 前走はスローペースでしたが、それなりに脚は使っていました。まだ伸びしろを感じる馬で楽しみです。
13.シュラーゲン 結果は出ていませんが、使いながら良くなってきています。ここに入っても見劣りしないモノを持っています。
14.スピリア 前走は展開が不向きでした。距離は長ければ長い方がいいと思っているので、ある程度ペースが流れてくれれば。
○6月8日 第21回 北海道スプリントカップ登録馬 3歳以上オープン 交流JpnIII 距離1200m
・キタサンサジン JRA
・スノードラゴン JRA
・スマートアヴァロン JRA
・ニシケンモノノフ JRA
・ウルトラカイザー 佐賀
・ケイリンボス 高知
・メイショウノーベル
・エイシンヒート
・トウカイビジョン
・アウヤンテプイ
・ジャベリン
・コールサインゼロ
・ユウユウ
・ゴッドツェッペリン
・スザク
・シセイカイカ
(補欠)
・ショコラブラン JRA
・アキトクレッセント JRA
・ゴーイングパワー JRA
・ダノングッド JRA
・ゴーインググレート JRA
・マズルファイヤー 笠松
・マイネルボールド 笠松
・タイセイバンデット
・テイエムタイホー
【展望】戦力的に見ると今年もJRA勢が主力を形成しそうだ。手堅い末脚を駆使できるスマートアヴァロン。最近は1400mで勝ち星を上げているが、門別1200mならシャープな切れ味が発揮できるのは確かだろう。中間も順調に調整されており、ここ一本に的を絞ってきただけに勝利の最短距離に立つ。大井の東京スプリントを逃げ切ったキタサンサジンは、5月27日の東京競馬、欅Sに出走しており、ここを回避してくる公算が強いだけに、変わって浮上してくるのはニシケンモノノフあたりか。道営ホッカイドウ競馬出身馬で2歳時以来の門別となるが、前々走のフェブラリーS5着を始めとして、重賞戦線でも上位争いができるのだから、その力量は推して知るべし。昨年3着のスノードラゴンも9歳という年齢をまったく感じさせていない。地元勢の中では、アウヤンテプイ、メイショウノーベルだが、JRA勢の壁は厚い感じはする。
【初日メイン】
○5月31日 12R おけと人間ばん馬大会特別 3歳以上C1-2組、C2-1組 距離1700m
1.フロールシータ
2.ピンクノオウマサン
3.オフィシエ
4.ラヴィーゲラン
5.ライプメイン
6.レアルタ
7.ワイレアツヨシ
8.スーパーブレーヴ
9.アイアイヨークン
10.インテグラル
【展望】前走は取り消した影響もなく、好位でスムーズに折り合いがついて難なく抜け出してきたアイアイヨークン。一気に条件は上がったが、あの勝ちっぷりの良さなら、まだまだ伸びしろはありそうだ。今の勢いに逆らう手はないだろう。レースぶりが手堅いレアルタ、ラヴィーゲランが当面の相手だが、中間も順調そのもののインテグラルもタイミングひとつで圏内へ浮上へ。
(厩舎の談話)
1.フロールシータ 徐々に良くはなっているのですが、まだ物足りなさの残る気配です。そろそろ変わってほしいのですが。
2.ピンクノオウマサン 伸びを欠いた前走ですが、内容は悪くなかったと思います。転入2戦目での変身の余地は十分にある。
3.オフィシエ 短距離戦を使ってハミ掛かりが良くなったし、前走は悪くない内容でした。最後まで集中してくれるようなら。
4.ラヴィーゲラン いくら内回りが得意とはいえ、前走はペースがキツ過ぎました。乗り役は距離は大丈夫と言ってくれています。
5.ライプメイン 前走はうまく嵌まった感じはありましたが、坂路調教に替え、シャキッとしてきたのも確かです。
6.レアルタ この馬向きの流れになってくれません。地力は持っていますし、体調もいいですから、流れさえ向けば。
7.ワイレアツヨシ 成績は上がっていませんが、状態は悪くないんです。うまく流れを掴めるようなら、差はないはずですよ。
8.スーパーブレーヴ 前走は流れが遅すぎて持ち味が生かせませんでした。末脚で勝負できる展開になれば、巻き返せるはずです。9.アイアイヨークン 掛からず、折り合いもついた前走は上々の内容でした。昨年とは違って、真面目に走ってくれますからね。
10.インテグラル 前走は向正面から挟まれる格好になり、嫌気が差した感じです。スムーズなら、もっと弾けてもいいですね。
(競馬ブック・松本英博)