【開催見解】第5回盛岡競馬(8/3~12 重賞:ひまわり賞、若鮎賞、クラスターカップ[JpnIII])
2019年度の第5回盛岡競馬は8月3日から前半3日間、8月10日から後半3日間の計6日間開催される。
前半週の最注目レースは2日目(4日)に行われる、3歳牝馬による岩手版オークス・重賞『第33回ひまわり賞』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
主役はエムワンピーコ。昨年9月のデビューからここまで9戦7勝。6月9日の東北優駿(水沢2000m)で3着と敗れ、牡馬のトップとはさすがに分が悪かったが、今回は牝馬限定の2000mという舞台。他馬は距離が鍵になるところだが、この馬に関しては東北優駿の3着が大きなアドバンテージになる。
次位はラフレシアオジョー。春の牝馬限定戦・あやめ賞、日高賞ともに4着。そして東北優駿も4着。確かな末脚を有し、大きく崩れず、相手なりに走れるのが持ち味だが、とにかく4着が非常に多い馬。2000mは歓迎と思われるが、勝ち味に遅くて…。
新興勢力組では中央から移籍後2戦2勝のエバーフレイム。非常に強い内容だが、2000mに関しては未知数。ニシノライリー、トーセントルマリン、ボーンインメイあたりも素質的に上位を狙える存在。
なお、この競走の1着馬には8月25日に行われる重賞『ビューチフルドリーマーカップ』への優先出走権が与えられる。
後半週。5日目(11日)のメインレースは2歳馬による重賞競走『第20回若鮎賞』芝1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は11頭。
毎年お馴染みの2歳世代にとって初のタイトル戦だが、今年は2歳馬のデビューが遅く、例年だと前哨戦として芝のマイル戦が組まれるが、今年は実施されていない。
11頭中、新馬戦で盛岡の芝1000mを経験したのは6頭。この中で勝ちっぷりが断然だったのはタイキシャトル産駒の牝馬・サンエイシャトル。レースは終始キョロキョロ物見をしながら2着馬に1秒8差の大差勝ち。今度は2ターンのマイル戦だけにだいぶ勝手は違うだろうが、絶対スピードが他馬より一枚上との印象だ。
芝組では、危なげなくデビュー勝ちを決めたリックポコー、3頭立てながら、新馬戦らしからぬ後方からの豪快な追い込み勝ちを決めたリュウノロビン。ダート組ではスピードあるラブロックが芝でどのような走りを見せるか注目したい存在。
あとはこの時期にしては珍しく、ここが移籍初戦となる転入馬が3頭もエントリー。フェリスウイングは大井2戦→(4)(1)着。エゾノゴーカイオーは門別のJRA認定競走で2着がある大型牡馬。岩手デビュー馬より仕上がりが進んでいる可能性は十分にあり、初戦から目が離せない存在になりそう。
なお、この競走の1~3着馬には9月15日に行われる重賞『ジュニアグランプリ』への優先出走権が与えられる。
6日目(12日)の第10競走にはこの開催のメインイベント、今シーズンのダートグレード競走第2弾『第24回クラスターカップ(Jpn3)』が行われる。ダート1200m。フルゲート=14頭に対して登録馬は24頭。
注目の中央勢はこの稿締め切りの段階でアシャカダイキ、コパノキッキング、ノボバカラ、ヒロシゲゴールド、ヤマニンアンプリメの5頭が選定馬。補欠馬が(1)シュウジ、(2)モズワッショイ、(3)ベック、(4)ドゥリトル。
1番人気はここまで11戦7勝の4歳馬・コパノキッキングだろう。12月のカペラステークス(G3)→1月の根岸ステークス(G3)を連勝し、2月のフェブラリーステークス(G1)5着→4月の東京スプリント(Jpn3)2着の実績は断然。東京スプリントで3着とこれに続いたヒロシゲゴールド、6月の北海道スプリントカップ(Jpn3)を制したヤマニンアンプリメ、同3着のノボバカラと、この路線の実力馬がズラリと揃い、今年も強力な顔ぶれ。
地方勢。6月6日に門別で行われた北海道スプリントカップ(Jpn3)でメイショウアイアンは2着、ショコラブランは4着と中央馬とほぼ互角の勝負を演じてきた。これに一昨年のクラスターカップの勝ち馬・ブルドッグボスが加わるのだから、今年の道営勢3頭は強力な布陣となった。
そして地元の雄・ラブバレット。中央から復帰後2戦は万全の内容で2連勝。この競走は4年連続出走して(3)(3)(2)(3)着と複勝率は100%。今年で8歳となったが、まだまだやってくれそうなムードだ。
なお、この日の第7・第8競走には減量騎手による騎手交流競走「2019ヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド盛岡」が行われる。出場予定騎手は以下の通り。
●岩本 怜(岩手)
●塚本 涼人(岩手)
●大木 天翔(大井)
●仲原 大生(大井)
●藤本 現暉(大井)
●櫻井 光輔(川崎)
●大塚 海渡(JRA)
●菊沢 一樹(JRA)
●木幡 巧也(JRA)
●菅原 明良(JRA)
●藤田菜七子(JRA)
●山田 敬士(JRA)
地元で活躍する2人はもちろん、すでに盛岡の交流競走で好成績を残している顔ぶれが揃った。なお、藤田菜七子騎手はクラスターカップでのコパノキッキングの騎乗も予測され、グレード競走制覇の期待もかかる。
(文:エイカン 内山達明)