【開催見解】金沢競馬 県営第8回[通算第10回]前半(7/28・30 重賞:MRO金賞)
2019年度・第10回の金沢競馬は、7月28日(日)、30日(火)、8月4日(日)、6日(火)の4日間。ここでは前半2日間の展望を。
28日(日)のメイン11R(最終)は「珠洲宝立七夕キリコまつり特別」(A2-2・1500m)
1番 ブルーウィング 青柳正義
2番 カンカン 柴田勇真
3番 ハイランドグラス 栗原大河
4番 ヤマチョウタンゴ 平瀬城久
5番 レヴェナント 中島龍也
6番 ファンタサイズ 畑中信司
7番 デルマアブサン 藤田弘治
8番 ドリームバンバン 鈴木太一
大半が馬券圏内の可能性があるメンバー構成。このところは前日・当日の雨も結果を左右しており(基本的に良馬場だと内目は伸びないが、当日の早朝に大雨が降った先週火曜は「不良」の超高速馬場になって通常は不利な内枠から道中インを通った好走馬が激増)、当日の天候や傾向を見るまでは何とも判断の難しい一戦。
1500m以上なら確実に差してくるヤマチョウタンゴに期待。昨年8月に3連勝目(C2→C1→B2)はクラスに恵まれていただけに今年は様相が違うかもしれないが、大型牡馬でも今のところ暑さの影響は少ないようで順調な調整ぶり。スタートが遅い分、後方からになりがちで2~3着が多くなっているものの、変調さえなければ上位進出確実。
中央1勝馬デルマアブサンも転入初戦の前走3着でメドを立てて楽しみ。その前走は1角で膨れた馬がいて外に飛ばされた影響も大きかったが0秒3差。まだ良化の余地は残す段階でも、ここもスムーズに運べそうな外枠を引いただけに、同じくらいは走れていい。
大井からの転入馬ハイランドグラスも力負けはない戦績。ピークを過ぎたかの近況でも当地入り後しっかり追い切り消化、前走7着も小差。不器用さを出さなければ、走れそう。
レヴェナントは3走前で復調を実証、ここ2走は相手や展開も厳しすぎた。1400~1500mで揉まれず運べれば、本来の能力は見劣らない。
逃げた時は底を見せていないブルーウィング、ここ2走は高速馬場に泣いたファンタサイズの浮上も考えておくべき。
30日(火)のメイン(11R予定)は「重賞 第63回MRO金賞」(3歳・東海近畿交流・1900m・1着賞金250万円)
過去5年の勝ち馬は…
2014第58回 兵 庫 トーコーポセイドン(牡3)大山真吾 良・1分49秒9
2015第59回 兵 庫 バズーカ (牡3)吉原寛人 良・2分 4秒7
2016第60回 兵 庫 エイシンニシパ (牡3)田中 学 重・2分 6秒0
2017第61回 金 沢 ムーンファースト (牡3)栗原大河 良・2分 5秒6
2018第62回 笠 松 ドリームスイーブル(牡3)佐藤友則 良・2分 5秒7
(2014年まで1700m、2015年から1900m)(牡3)
1999年(第43回)から8月に行われる1700mの地区交流3歳重賞(JRA菊花賞トライアル地区代表馬選定競走)となったが、2015年から施行時期が7月、距離1900mに変更。
石川ダービーが新設された2017年からは2開催ほど遅らせ、8月上旬に1900mで実施。
3歳重賞となって以降20回のうち、金沢所属馬の優勝は1999年トラベラー、2001年チカテツ、2002年トゥインチアズ、2004年センジュチカラ、2006年マトリックス、2008年ノーブルシーズ、2011年ナムラダイキチ、2017年ムーンファーストの8頭。隔年で地元馬が優勝の法則は2010年のハヤテカムイオーがクビ差2着に敗れたことで途切れたが、地区交流重賞の中では地元馬が比較的好走の傾向。牝馬の優勝6回中4回は金沢所属馬(2013年は地元の牝馬が11番人気で2着)。
比較的人気馬が勝つ傾向にはあり、近年は兵庫ダービーや東海ダービーで上位だった馬の好走が多いものの、3連単は万馬券が多数。特に2~3着が人気薄というケースが多い(2008年は2番人気→4番人気→10番人気で157860円、2010年は1番人気→4番人気→10番人気で15730円、2013年は1番人気→11番人気→8番人気で119210円)。2018年は当時まだ伏兵扱いのムーンファーストが勝って3連単503450円の大波乱となったが、後の活躍を思えば驚けない勝利。まだ成長途上の3歳馬が戦う夏場の長距離戦だけに、成績に表れない能力や展開面をよく考える必要がありそうだ。
さて、今年のメンバー
バンローズキングス(兵庫)…吉村智洋
テンマダイウェーヴ(兵庫)…杉浦健太
フォアフロント(笠松)…佐藤友則
テツ(兵庫)…田中学
ベルリーフ(兵庫)…下原理
ナラ(笠松)…松本剛志
ロンギングルック(金沢)
タンクティーエー(金沢)
ミエルミエーレ(金沢)
ニューホープ(金沢)
スタークィーン(金沢)
セイガイハ(金沢)
兵庫ダービー1着、2着、5着、6着馬、東海ダービー3着馬が参戦。地元勢も石川ダービー1着・3着・5着に加え、JRAで1勝タンクティーエー、笠松の牝馬重賞2着ミエルミエーレと粒揃い。例年以上にハイレベルで非常に楽しみな一戦になった。
昨年の2歳時、当地3戦3勝(重賞2勝)が圧倒的だったアイオブザタイガーが兵庫に移籍してトップクラスで好走したが、重賞では菊水賞2番人気7着、兵庫ダービー4番人気8着。それを物差しにすると、力関係としては兵庫勢が優勢で主力に推すべきか。
バンローズキングスはチークP着用すると前々走・兵庫チャンピオンシップ(JpnII)3着、兵庫ダービー制覇。内容的にも本物視でき、距離適性十分で立ち回りも上手い。そこから間隔が開いての長距離輸送がどうかだけ。
テンマダイウェーヴは菊水賞、兵庫ダービーと続けて2着に泣いたが、連続好走は本馬だけというのは立派。今季の金沢は先行力が武器になるとも言えないが、少しレース間隔を開けたローテでも菊水賞が好結果。1月の笠松で7着と崩れたのも展開面の影響大なら遠征も大丈夫か。
ただ、この兵庫2頭は先団のインが理想かのレースぶり。当日、良馬場になるとインが利かなくなる今季の金沢コースがどう出るかという面もある。
地元勢ではタンクティーエーに期待。転入後連勝だが、序盤に絡まれた前走の方が強さは増した内容。JRA 1勝は中山ダート1800m。馬体的にも距離が延びても心配ない。暑さにも負けていない調整ぶり、メンバーが揃ってもスンナリ先行できれば勝負になる。
石川ダービー馬ロンギングルックも順調。前走古馬B1で敗れたが、相手は元JRA準オープンで、あくまで叩き台。ぶっちぎったダービーの強さや、あまり展開に注文が付かない点でも楽しみはある。
先団が厳しい競馬になれば、兵庫のテツとベルリーフ、地元のニューホープも浮上十分。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)