【開催見解】第7回川崎競馬(9/6~9 重賞:戸塚記念)
南関東夏期の変則開催は9月まで続き、川崎競馬開催は9月6日(水)~9日(土)までの4日間。
川崎競馬にしては珍しい土曜開催があり、9日の川崎競馬は「川崎競馬オープンデー」と銘打って入場料が無料。ファミリー向けのイベントが盛りだくさん。またこの日にはばんえい競馬がやって来てデモストレーション走行やばん馬との綱引き対決などが催される。
7日(木)には第46回戸塚記念。
この3歳限定重賞は川崎競馬の前身となった戸塚競馬を記念したレース。ひと夏を越えた3歳馬たちの成長ぶりを堪能しよう。
初日のメインはA2下の「長月特別」。
タマモベルベットの前走は休み明けな上に初めての大井コースに戸惑ったかのようなレースぶりで度外視したい一戦。得意の川崎コースになって再度狙う。3月の川崎A2下戦ではスタート不利がありながら僅差2着した実績もあり自己条件で地力信頼できそうだ。
相手は同じく浦和所属のコスモパープル。スパーキングサマーカップでは今春デビューの櫻井光輔騎手と共に初めての重賞挑戦。南関屈指のマイラー相手に厳しい流れではあったが、自己条件に変わって実のある経験として生かせそうだ。
鼻出血明けになるディーズプリモは3歳時に東京湾Cを優勝。1500mなら緒戦からスピード全開で自分の競馬ができそう。
2日目は2100mの「第46回戸塚記念」。秋の3歳限定戦とあって、このひと夏で力をつけた新星が春の実績馬に挑む一戦。さらに今年から新設された地方競馬の「3歳秋のチャンピオンシップ」の一貫としてシリーズ化されている。
黒潮盃で4馬身差をつけて圧勝したブラウンレガートがここからシリーズファイナルのダービーグランプリ(11月19日・水沢)でのビッグボーナスを目指すというから負けられない一戦。春のクラシックでは羽田盃直前に熱発して自重するなどリズムを崩した時期もあり、移籍馬相手に歯がゆい場面も多かったが、このひと夏の成長は明らか。南関生え抜き馬がシリーズ制覇で春の鬱憤を晴らす。
トライアル芙蓉賞を快勝したキャプテンロビンはひと夏の成長芳しい一頭。逃げ切り2連勝で距離への対応力も魅力。東京ダービー4着した牝馬シェアハッピーはゲート難解消し距離延長も味方する。やっとリズムが整って黒潮盃2着したカンムル。前走はスローペースに泣いたクラトリガーの巻き返し。
また、この日の準メインには鎌倉記念トライアルの「若武者賞」が行われる。認定競走であり、勝ち馬はJRAの認定レースへの出走資格が得られるほか、3着以内馬には鎌倉記念(10月11日)への優先出走権が与えられるため、2歳素質馬たちの激突が見逃せない。
3日目は市町村PRレース「~安らぎの霊峰大山に見守られる町~第50回記念伊勢原観光道灌まつり杯」がメイン。
B2一組の1600m戦は混戦ムードが漂うが、ドンナディヴィーノの直線勝負に期待する。昨年の若竹賞がそうだったように展開ハマった時の直線一気の強襲はインパクト大。脚質のせいか、わずかに捕らえられないレースが続いて勝ち星からは遠ざかっているが、前が速くなれば矢のような脚を見せてくれるだろう。
サウスヴィグラス産駒らしい豊かなスピードを発揮するドリームキングはマイル実績も十分。中央時代は芝の短距離中心に走っていたゼンノイザナギは距離課題も決め手勝負で。ロマンコスモは初めてのマイルに対応できれば。
最終日のオープンデーのメインは「餃子が川崎に集結! 全国餃子まつりinかわさき開催記念」。
9月23日、24日に川崎競馬場で行われる全国餃子まつりには約70店も出展予定とのことで、大いに盛り上がりそうな秋のイベント。そのコマーシャル競走はB2二、B3一組の1500m戦。
もっか2連勝中のアップドラフトはデビュー以来10戦7勝。掲示板を外したのは1度だけとまだ底を見せていない印象だ。特に前々走は6馬身ちぎる逃げ切り勝ち。メンバーは上がっているが、安定感ある先行力を武器にさらに上を目指せそうだ。
相手はまずエルブルース。ミッドウェーファームの外厩調整馬だがスピード値が高く、これまで21戦して11連対。ひと息入れた後ようやく復調ムード。
中央から移籍後3戦目になるキラパワー。短距離の切れ者キョウエイビーナスは1500mでも2回2着している。
(競馬ブック 中川明美)