【開催見解】第11回名古屋競馬(8/26~28・31)
第11回名古屋けいばは「サードニクスシリーズ」と銘打って、8月26~28・31日の計4日間で開催されます。前回は馬場改修後で、時計がかかる割に外めを追い上げる馬の不振が目立ちました。今後の天候などによって、連続開催でも傾向に変化があるかもしれないので注意が必要です。それでは各日のメインレースの展望に移りましょう。
初日のメインはB-1組「おとめ座特別」1600m
一次戦と同様にA級B級は賞金順の編成となり、前回の2着スズカレビンと3着のサクラナモラーダ、2組も勝ち上がったマリーズミイが主力を形成しそうです。この3頭は力量が接近しており、展開が大きなポイントになるでしょう。その点では、マイル戦の内枠を引いたサクラナモラーダが逃げに持ち込みやすいので有利と思えます。ただ、ピンクストーンがハナにこだわるようだと少々厄介なことに。したがってこれらを見ながら運べるマリーズミイが馬券の軸には適していると判断します。スズカレビンは道中の折り合いやコース取り次第でチャンスが十分にありそうです。7月にこのクラスで2着の実績があるダイナミックワルツは、やや信頼性を欠くものの、穴的な魅力を感じます。
2日目のメインはA-3組「ハッサク特別」1600m
転入初戦のA-2組でアップアンカーの2着に食い込んだキクノラフィカ。ただ、その後の2走は4、7着と物足りない結果に終わっています。追い切りこそ時計は出ましたが、本来の迫力を欠く現状では割り引かざるを得ません。それにしてもいつになく難解な一戦になったように思えます。いくぶん消極的なスタンスですが、中心としてはリサーチアゲンに期待します。前走は4着と馬券の対象から外れましたが、よどみのない流れを考慮すれば及第点。この馬の持ち味は緻密な立ち回りができることで、最内枠はむしろ好材料でしょう。3頭出しの瀬戸口勢では、マルカシグナスとゴールデンコマンドが人気を集めるかもしれませんが、穴馬として注目したいのが4走目になるバックトゥジエース。体型からして距離は長い方がよさそうで、当地で初のマイル戦になる今回、しっかり追っての仕上げにも好感が持てます。他にも安定して末脚を繰り出すエスケイオスカー、じんわりと上向いてきたホウライナデシコあたりも上位争いに加わってきそうです。
3日目のシリーズメインのA-1組「サードニクスオープン」1400m
一次戦のペリドットオープンを快勝したアイファーソングは回避しそうですが、東海桜花賞3着のトップフライアーが戦列に復帰します。6月戦ではノゾミダイヤやアップアンカーらと接戦を繰り広げており、距離もベストの1400mなら中心視が妥当でしょう。ただ、その当時の出来に及ばないのは事実で、前述したライバルたちが不在のここでも楽観はできません。調子という点ではエーシンフルハウス、最近の充実ぶりではイワクラギンガがむしろ上回っているとさえ思えます。リバルドホープは身上の末脚が不発に終わるケースが続いているだけに、追い込みがききやすい馬場に変化していることを切に願っていることでしょう。
4日目のメインはA-2組「青桐特別」1400m
ペリドットオープンで2着のドナルトソン、一次戦の2組を中4日の強行軍ながら完勝したランフォージンに目がいきます。これらと実力的に遜色ないピースフルリバティにも反撃の余地はあるでしょう。おそらくこの3頭が上位に支持されそうですが、注目したいのはアルベルトバローズ。前走は1年4カ月ぶりの実戦で、しかも初ダート。3秒差の5着も仕方ない結果だったと言えます。休養前に500万、1000万級を連勝した実績は立派なもので、脚力も確か。仕上がり次第では大きく変わってきそうです。
(文:競馬東海 寺澤 正勝)